フクロウをペットとして飼うには?知っておくべき現実と費用

フクロウをペットとして飼うということ
OWL KEEPING GUIDE

近年、フクロウカフェの人気とともに「フクロウを飼いたい」という人が増えています。あの愛らしい顔、首をかしげる仕草、手に乗せたときの重み。確かにフクロウには他のペットにはない魅力があります。しかし、フクロウ飼育の現実は、想像よりもずっとハードルが高いものです。

飼う前に知っておくべきこと

フクロウは犬や猫のような「ペット」として品種改良された動物ではありません。あくまで野生の猛禽類であり、人間と暮らすことに適応しているわけではないのです。

だからこそ、「かわいいから飼いたい」だけでは絶対に飼わないでください。まずは現実を知り、それでも飼いたいと思えるかどうか。この記事がその判断材料になれば幸いです。

フクロウ飼育の5つの現実

01
なつかない個体も多い
フクロウカフェで見る「おとなしいフクロウ」は、プロが長時間かけて調教した個体です。一般家庭で飼う場合、いつまでも警戒心を解かない、触らせてくれない、という個体も珍しくありません。犬猫のような愛情表現は期待しないほうがいいでしょう。
02
診てくれる病院が少ない
フクロウを診察できる獣医師は非常に限られています。地方では県内に1軒もないこともあり、何かあれば数時間かけて病院に行くことになります。また、猛禽類の診察費用は高額になりがちです。
03
餌はマウスやヒヨコ
フクロウの餌は冷凍マウス、冷凍ヒヨコ、冷凍ウズラなど。ドッグフードのような「便利な餌」はありません。毎日、解凍した動物を与え、時には内臓を処理する必要があります。これに抵抗がある人には飼育は難しいです。
04
部屋が汚れる
フクロウの糞は水分が多く、飛ばします。壁紙、カーテン、家具が汚れることは日常茶飯事。また、「ペリット」と呼ばれる未消化の骨や毛の塊を吐き出すため、これも掃除が必要です。きれい好きな人にはストレスになるかもしれません。
05
旅行・長期外出が難しい
フクロウを預かってくれるペットホテルは極めて少なく、預けられたとしても大きなストレスになります。飼い始めたら、長期旅行はほぼ諦める覚悟が必要です。

飼育にかかる費用

フクロウ飼育はお金がかかります。初期費用だけでなく、毎月のランニングコストもしっかり計算しておきましょう。

  • 生体価格15万〜50万円
  • ケージ・パーチ等3万〜10万円
  • アンクレット・リーシュ5千〜1万円
  • 体重計・その他用品1万〜2万円
  • 餌代(月額)5千〜1万5千円

生体価格は種類によって大きく異なります。メンフクロウやコキンメフクロウは比較的安価(15〜25万円程度)、シロフクロウやワシミミズクなどの大型種は50万円以上になることもあります。

フクロウの餌について

フクロウは完全な肉食性です。骨や内臓を含めた「丸ごとの獲物」を食べることで、必要な栄養素をすべて摂取します。

主な餌の種類
  • 冷凍マウス:最も一般的な主食。栄養バランスに優れる
  • 冷凍ヒヨコ:マウスと併用で栄養バランスを調整
  • 冷凍ウズラ:大型種向け。骨が硬めなので中型以上に
  • コオロギ・昆虫類:小型種のおやつ程度に

冷凍マウスが主食になる理由

冷凍マウスは、フクロウにとって最もバランスの良い餌です。野生のフクロウも主にネズミを捕食しており、食性に最も近い形で栄養を摂取できます。

与え方は、冷凍庫から出して常温または40℃程度のぬるま湯で解凍し、水気を切ってから与えます。小型種(コキンメフクロウ等)にはピンクマウス〜ホッパー、中型種(メンフクロウ等)にはアダルトマウス、大型種にはラットが目安です。

フクロウの大きさにもよりますが、1日に1〜3匹程度を与えます。週に1〜2日は「絶食日」を設けると、肥満防止と健康維持に効果的です。

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1日の世話

フクロウの日常的な世話自体は、それほど時間がかかるものではありません。

体重測定、糞やペリットの掃除、水の交換
夕方
餌やり(解凍→給餌)、健康チェック
週1回
ケージ周りの大掃除、爪・嘴のチェック
随時
日光浴(窓際で15〜30分)、水浴び用の水を用意

毎日の世話は30分〜1時間程度。ただし、フクロウとの信頼関係を築くためには、毎日話しかけたり、近くで過ごしたりする時間が必要です。

向いている人・向いていない人

向いている人
  • 「なつかなくてもいい」と思える
  • マウスやヒヨコの解凍に抵抗がない
  • 部屋が汚れることを許容できる
  • 長期旅行をしない生活スタイル
  • 猛禽類に関する勉強を続けられる
  • 経済的な余裕がある
向いていない人
  • 「かわいいから」だけで飼いたい
  • なついてほしい、触れ合いたい
  • 血や生肉が苦手
  • きれい好き、潔癖症
  • 旅行や外出が多い
  • 飽きっぽい性格

よくある質問

フクロウを飼うのに許可は必要?
日本で流通しているフクロウのほとんどは国内繁殖個体のため、許可は不要です。ただし、購入時に「種の保存法」に基づく登録票が必要な種類もあります。信頼できる専門店で購入すれば、必要な書類は揃っています。
寿命はどのくらい?
小型種で10〜15年、中・大型種で20〜30年と言われています。長寿な個体では30年以上生きることも。長い付き合いになることを覚悟してください。
マンションでも飼える?
「ペット可」の物件であれば飼育可能なケースが多いですが、必ず管理規約を確認してください。フクロウはほとんど鳴かないため、騒音の心配は少ないです。ただし、餌(冷凍マウス等)の保管について家族の同意は必須です。
初心者におすすめの種類は?
メンフクロウ、コキンメフクロウ、モリフクロウあたりが比較的飼いやすいとされています。ただし「飼いやすい」と言っても猛禽類であることに変わりはありません。
フクロウは「かわいいペット」ではなく「野生の猛禽類」。
その現実を受け入れられるなら、
唯一無二のパートナーになってくれるでしょう。

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※この記事は飼育を推奨するものではなく、検討中の方に現実を伝えるためのものです。フクロウ飼育は難易度が高く、安易な購入は動物にとっても人にとっても不幸な結果を招きます。十分な下調べと準備をお願いします。